その他
- 今年の2月中旬に、4月から会社に入社するので、空き部屋を借りたいが、それまでは他の人に貸さないで欲しいという申込みがありました。人のよさそうな人だったので信用して、1万円だけ預かって、部屋を空けておきました。その後、何回か、いつ頃入りますという連絡はあったのですが、4月になっても入居しないままでした。最近、近くの別のアパートの方に住んでいることがわかりました。4月を過ぎると、学生もサラリーマンも住まいは決まっていて、6月になった今も空きは埋まっていません。そのサラリーマンから損害賠償として、2か月分くらいの家賃は払ってもらいたいと思いますが、できるでしょうか。
契約の当事者は契約が成立するまではいつでも交渉をやめることができるのですが、一般に、契約交渉がある段階に達すると、交渉を一方的に打ち切ってはならない義務が発生するとされています。契約には至らなかったが、当事者の一方の言動から契約が締結されるものと信じた相手方に損害を与えた場合、信頼関係に基づく信義則上の責任として損害賠償責任を負うとの考え方があります(不法行為責任で構成されることもあります)。ご質問のケースの場合も広く解釈すると損害賠償請求も可能なようにも思えますが、しかし、入居の申込みを受けて物件を押さえておく場合は、期限を切るのが一般的です。何回か、「いつ頃には入居します。」との連絡があったとのことですが、どうしてそのときに契約の話をしなかったのでしょうか。「いついつまでに契約をしないのであればこの申込はなかったことにします」と告げ、早めに入居者募集を再開していればこのような事態にはならなかったと思われます。大家さんにも過失があるように思います。損害賠償の請求をしたいとお考えであれば、法律の専門家にご相談下さい。
- 建物賃貸契約を不動産屋さんの媒介で1か月前に行いました、契約の際に女性の1人暮らしなのでセキュリティについて確認したところ、問題ありませんとのことでしたが、入居してから1週間後に泥棒に入られました。隣の部屋の人に聞くと、借りた部屋はここ1年間に3度も泥棒に入られ新聞にも出ていたそうです、嫌気がさしたのか前の住人は出て行ったそうです。その媒介業者さんは私の契約をやっていただいた会社だそうです。また、泥棒に入られるのではないかと不安で一杯です、入居時の説明と大違いです。説明義務はないのですか。
契約の判断に重要な影響を及ぼすその他の事項も「重要な事項」として説明することが必要です。過去に泥棒に入られたことが、直ちに説明が必要な「重要な事項」とはならないと思われますが、本件のように、借主からセキュリティについて心配があり質問があったような場合は、媒介業者はそれについて説明する義務があるといえます。
- 20日前に、賃貸マンションの3Fの部屋を借りる契約をしました。契約時は、1F、2Fの店舗は洋品店でしたが、昨日行ってみると、両方とも2か月後に飲食店になるとビラが張ってありました。私は下に飲食店があるようなマンションには住みたくないと思っていたし、そのことは媒介(仲介)の不動産屋さんにも話をしました。契約をキャンセルして支払ったお金を全部返してもらいたいのですが。また、今のアパートの入居期限が切れても行くところがなかったら、ホテルの宿泊費などを不動産屋さんに出してもらいたいのですが、できるでしょうか。
1・2階に将来どのような店舗が入るかはわかりませんし、特段の事情がない限り、賃借人がそれに制限を加えることはできません。騒音等がひどくて住めないなどの通常の生活ができないような状況でないと契約の解除までは認められないと思われます。しかし、飲食店が出店することを媒介業者が知っていたのに告げなかったのであれば、媒介業者の説明義務違反を問える可能性があります。大家さんに環境悪化等を理由に契約の解除、家賃の減額等について交渉をしてみてはどうでしょうか。
- マンションの大家なのですが、媒介(仲介)業者が契約時に「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の写しを借主に交付しています。自分はガイドラインの考え方の一部に納得できないところがあるので、それをやめてほしいのですが、そうすると仲介をしないといわれました。どうすればよいのでしょうか
原状回復について、借主に特別な負担を課すような特約を設ける場合には、その旨を明確に契約書面に定めたうえで、借主の十分な認識と了解をもって契約することが必要です。その不備でトラブルとなることが多いことから、媒介業者はトラブル予防のためにガイドラインの写しを交付しているのだと思われます。相談者は東京都以外でマンションを貸しておられるようですが、もし東京都内の物件だった場合、媒介業者には条例による説明の責務があります。